Q.銀行ローンの本契約のトラブル

<OTさん>


 初めてメールさせていただきます。
 この度、私と妻の共同名義で住宅を新築中に、下記内容のトラブルが私達とハウスメーカーおよび銀行の間で起こりましたので、どのように対応すれば良いのかお教え願います。
 昨年11月から、あるハウスメーカーとの間で住宅を新築の話が進み、12月末には、ハウスメーカーと提携する銀行との間で(公庫は使いませんでした)ローン全額の内諾がおりました。内諾がおりたということで、今年1月にはハウスメーカーとの契約を済ませ、今現在も建築工事が進んでおります(3/31引渡し)。
 そして、今年2月に入り、内諾した銀行にローンの本契約をしに行きました(主契約者は私<夫>で共同名義が妻ということになります)。ローン契約時に住宅ローンの保証(私が死んだらローンが免責になる)のため「健康診断」を受診し、「診断書」をもらってきてくださいと言われました(この時点では、家を買う際に健康診断を受診するということは知りませんでしたし、内諾時にも説明がありませんでした)。行きつけの病院にて診断書を書いてもらいましたが、(最近はやりの)「脂肪肝」と診断され、私自身、大丈夫かなぁと思い、主治医やハウスメーカーや銀行の方にも確認しましたが、「病気(慢性肝炎とか)ではないので、その程度なら大丈夫です」と言われて、ほっとしていました。  ところが、それから2週間後、銀行から電話がかかってきて、銀行の保証会社では「あなた(夫)の健康状態では保証できません」と判断されたので、「妻が契約者になってください」と言われました。びっくりです。もし、私が何らかの理由で重病になり、働けなくなった場合や死亡してしまった場合、妻がローン返済および生活費を稼がなくてはならなくなるということになってしまうからです。人それぞれにもよりますが、私自身そんなことは許せません。
 いったいこれは、どういうことなのでしょうか? ハウスメーカーと提携している銀行が「内諾」を出したということは、すべてOKということではないのでしょうか(内諾時にはそのように説明を受けました)? ハウスメーカーが銀行にローンの打診をする際に、ハウスメーカーまたは銀行から顧客側に健康診断を受診してください、と最初に言ってもらえれば、住宅購入まで踏み切らなかったです。また、「ハウスメーカーにも確認したところ、公庫の際にはこのような事例がありました」という返信が返ってきました。事例があることを認識しておりながら、なおさら頭に来ます。病人の夫に共同名義での妻がいれば、どのようなメーカーでも売り放題ですね。脂肪肝というだけで(慢性肝炎ではない)、お金は借りれないのでしょうか?
 といったところですが、現在、銀行のほうには「妻には契約させられません」と伝え、ハウスメーカーには上記した内容について問いただしているところです。しかし、ハウスメーカーとは売買契約を済ませ、家も建築中ということもあり、このまま銀行との契約がうまくいかない場合には、ハウスメーカーから私共が損害賠償請求されるかと思い、不安です。
 どうすれば良いのでしょうか? 妻に契約させるしか,方法はないのでしょうか? ハウスメーカーとの契約を破棄できるのでしょうか? また、私共に何か法的な手段はとれるのでしょうか?
 以上、感情的な表現も入り、誠に恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。




A.<千葉県市川市・OKさん(40歳・男)>

 こんにちは。私は、不良債権を証券化するビジネスをしており、こうしたケースの事例を知っているので、知る範囲でお答えできると思います。
 まず、病気の診断書を堂々と提出した、あなたの行動はミステイクであったことを指摘しておきましょう。  さて、ローン内諾を出したということは、すべてOKかというと違います。経済的な精査ではOKであった、ということです。今までの銀行の経験上、大丈夫であろうという前提をいくつか置くわけで、それらの前提が崩れると覆されるケースはいくらでもあります。今回は、そのケースです。 ハウスメーカーとの契約を破棄できるか  結論から言うと、特約があれば可能です。
 通常、ハウスメーカーや土地売買契約で、「ローン特約」があります。金融機関の融資承認が下りなかったり、融資額を減額されたために購入できなくなった時に解約するための措置す。その場合、売買契約は白紙に戻り、買主が売主に支払った手付金などは全額無利息で返還されます。すでに建ってしまった家は、不動産屋とハウスメーカーが在庫として(=建売)として処理するか、不良在庫として何らかの処分(それが私の仕事)をしますが、損害を請求されることはありません。でも、これを逆手にとってアレコレ文句を言い張ることだけはやめておいたほうが賢明です。もしローン特約がなければ、逃げられません。
 その場合、
 1)保障会社を変える=銀行を変える、公庫に変更するのも同じく良い。
 2)銀行を変えられない事情があれば、ローン融資を減額して実行してもらい、不足分は同一銀行で別のローンを組む(金利が高くなるはずだが仕方ない)。 などでしょう。
 無理に妻の名義で借りたりすると税制上でも損しますので、推奨できません。土地と家を分けてローンを組み、銀行を変える手もありますし、普通はつなぎ融資の契約が絡みますが、情報がないのでお答えできません。なお、診断書が病気なしのものを別の病院で作成でき、かつストレートな借金を行うだけであれば、地方の優良銀行や外資系銀行では、断わらないはずです。




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