Q.夢が広がるはずの新築計画中なのに憂鬱…

<長野県東筑摩郡・NMさん(会社員・41歳・男)>


拝啓

 マイホームを考えて7年経ちました。その間、自分なりに研究した結果、個人の設計事務所に依頼いたしました。進捗状況ですが、もうすぐ見積もりが出るところです。普通ならマイホーム実現までもう少しですから、夢が広がりますよね?でも、私憂鬱です…何ででしょうか。結婚を目前に控えた女性が何か漠然とした不安に陥るのと同じかと思います。
 設計士はいい人なんだけれども、いまいち腹を割って相談できない、自分の理想の家になるのかな?もっと他の設計士にも相談したほうが良かったのかな? 自分なりに家づくりを研究してきたのですが、余計な知識がかえって邪魔をしたのかな? 外観はこれで本当にいいのだろうか? 設計士の言いなりになっている部分もあるような気もする…。職人さんはきちんと仕事してくれるだろうか? 腰を低くするべきだろうか? ごきげんを取るほうが良いのか? 2社相見積もりですが、設計士も含めて、もし三者が裏で繋がっているとしたら…。こんなに悩むのなら、家なんか建てないほうが良かったのかもしれない、と真剣に思います。こんなバカバカしい悩みや不安って私だけでしょうか?
 ノイローゼになりそうです。しかし、いまさら中断はでき来ません。心のアドバイスをどうかお願いいたします。




A.<HYさん(会社員・34歳・男)>

 木造住宅を新築して半年経った者です。私も計画中に同じような気持ちになったことがあります。
 また、新築後も友人などが、鉄筋コンクリートで建てたりすると、やっぱり鉄筋のほうがいいのかなあ… などと悩んでみたりもします。
 大きな決断が必要となっているわけですから、いろいろ悩んで憂鬱になったことは私にもありました。同じような悩みを持たれている方がいらっしゃって、少しホッとしました。




A.<東京都世田谷区・KJさん(自営業・45歳・男)>

 長野県の悩めるNMさんへ

 おおげさに言えば人生の中でも大きな事業ですから、悩むのは当たり前です。なぜなら、家でこれなら絶対なんてある訳ありません。NMさんはご存知かどうかしりませんが、設計する人も得意、不得意はありますよ。これは、経験の多い、少ないで、勝手に自分や周りが思ってしまうこともいけないのですが。また、素人の方も、設計士の人がなんでも自分の意見を聞いてくれると「この人、プロなのに、素人の言うこと、いちいち聞いて大丈夫かなあ」とか、逆にあんまり聞いていないようなときは「私の言うこと、本当に設計に盛り込んでくれているのかなあ、自分の趣味で俺の家つくってるんじゃないだろうか?」そう、思いがちです。NMさんは、きっと今あがってるプランがしっくりいってないのでしょう。NMさんのプランを元にできたものか、設計士の主導のものか、定かではありませんが、先を急いでもいいものはできません。一番自分がやりたかったものがプランの中に組み込まれているか、再確認してください。家に対して自分が求めているものは何か? もう一度考えてください。これは、どんな設計士もわからないことですから、それさえ見つけて、伝えておけば、あとは間取りがどう、機能がどうなんて、どうでもいいんです。設計士の方にまかせなさい。
 どういう家をつくってくれ! これが一番大切だと思います。日当たりの良い家、家族のつながりを大事にしたい家、とにかく寒くない家、なんでもいいですからポリシーを明確にしましょう。ただ、よい家じゃ駄目です。全てにわたり、良い家はナカナカつくれません。最も譲れないものを最優先してください。そう、プライオリティをはっきりしないと、気に入った家はつくれないと思います。うれしいことなんですから、元気を出して、自分の一番生活で大切なことを捜して、それを優先した家をつくる、それが最も良い家をつくるコツです。




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