Q.基礎工事について。

<三重県尾鷲市・HYさん(会社員・36歳・男)>


 現在、木造2階建てを建築中で基礎工事にかかっています。基礎はべた基礎とし、湿式柱状改良工事を行い、砕石を転圧し防湿シートを敷いて、D13ならびにD10にて配筋をしています。配筋の際、捨てコンを打っていないため、配筋のレベル合わせのため60センチほどのD13鉄筋を杭のように、基礎立上り部分に何本も防湿シートの上から地面に打ち込み、それに合わせて立上り部分の主筋高さを決めていました(その鉄筋も主筋・肋筋に結束してあります)。配筋の結束が終わり、サイコロを下に挟み、そのまま生コンを打設してしまいましたが、レベル合わせ用のD13の杭はサイコロ分は浮き上がったものの、地面に突き刺さったままでした。基礎屋さんが言うには、この刺さった部分はコンクリ打設時に配筋がずれないようにするためには必要であるとのことでした。

 そこで質問ですが、
1. 鉄筋の錆を防ぐためにコンクリートのかぶり厚が十分必要であるとのことですが、地面に刺さった鉄筋はむき出しのままですので、そこから錆がコンクリート内部へ入り込むことにより、どのような悪影響が考えられるでしょうか?
2. 影響が出るとしたら、対処方法はありますか?
3. こういった工法は一般的に行われているのでしょうか?

 アドバイスいただけたら幸いです。長文・乱文で失礼します。




A.アドバイスいたします

一級建築士事務所 atelier i
飯岡哲司
電話:011(581)0609
ホームページ:http://www.h7.dion.ne.jp/~ai-i/

ご質問の順序どおりにお答えします。
1. 一般的には、差筋の錆が進行することでコンクリートにクラックが発生し、そこからのコンクリート中性化、鉄筋の発錆と続いていくと思われます。
2. 敷地の状況がどのようになっているのかが一番重要になります。地下水位の位置、敷地の水はけ、地質の保水性などにより、錆等の進行状況は大幅に変わると思います。対処方法としては、地質の状態がわかりませんが、差筋が空気、水分に触れない状態をつくりだすために基礎周辺の水はけを良くして、常に乾燥した状態にして、錆が進行しない状況にすることだと思います。
3. 小規模な工作物では、捨てコンなしで施工することはあります(その場合でも差筋はさせませんが)。ある程度の規模の建物は、鉄筋工事の作業性を考えると捨てコンが必要になると思います。公庫の仕様書(全国版)でも捨てコンは表示されているので、地域性の問題ではなく、施工サイドで工程の簡略化を計るため捨てコンを省いたのではないでしょうか。




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