Q.通気層工法はいつ頃から行われるようになったのでしょうか?

<欠陥住宅で頑張る歯科医師さん>


 私は欠陥住宅で苦しんでいます。6年前に新築し、引き渡し直後から雨漏りがあり、何度補修をお願いしても直りません。しまいには業者に「うちのせいじゃなかったらどうするんだ」とすごまれてしまいました。業者が言うにはカラスがコーキングをついばんだりすることもあるし、車の振動で建物が揺れて、それが原因であれば業者の責任ではないと変なことを言うのです。もうこの業者に補修をお願いする気にもならなくなり、裁判を起こすべく決心しました。建築士さんに調べてもらったところ、筋交いが足りなく、建築基準法で定められている壁量を満たしていない。そのため建物が揺れやすく外壁にひび割れが多い。そこから雨水が浸入するようです。設計士がミスを犯したようで構造計算書では十分に筋交いがあるようになっているのに、添付した平面図では筋交いが足りないのです。その図面で建物が建ってしまったのです。建築主事は何をチェックしているのでしょうか?
 さらに外壁の構造が、建築確認申請の図面では通気層工法になっているはずなのに、実際は通気層がない。他にも欠陥がどんどん出てきました。断熱材がグラスウールなのに、内側に防湿シートがないのです。使われている断熱材も建築確認申請の図面にかかれているものより安価で劣悪、グラスウールがないところもあります。冬が寒いのは何故だろうと思っていましたが、こういうことだったのです。
 調べてもらった建築士さんは、通気層工法にするのは当たり前なことだとおっしゃるのですが、だいたいいつ頃から行われているものなのでしょうか? グラスウールの内側に防湿シートを貼ることも常識的なことと言われましたが、これもいつ頃から言われていることなのでしょうか?
 建築確認申請の図面と実際の施工では食い違いが見られるのですが、こんなことって許されるのでしょうか?
 マイホームは人生の夢です。それがこんなことになり悔しくてたまりません。自分の建築知識の無いのにも腹が立ちます。もっと勉強してから家を建てれば良かったと思う今日この頃です。これから何を生き甲斐にして生きていけばいいのでしょう。この欠陥住宅のローンのために汗水垂らして働いていると思うと、むなしさがこみ上げてきます。ご助力いただければと思います。よろしくお願いします。




A.回答いたします

HQ住宅研究所 FAS本部
代表  福地 脩悦
ホームページ:http://www.fas-21.com/

 まず雨漏りの要因ですが、必ずしも耐力壁の不足によるものと結論づけはできません。新築当初からということは、明らかに竣工時に瑕疵があったものと思われます。雨漏りは思わぬ要因で発生する場合もあり、厄介なトラブルです。特にサッシまわりの水きりや2階の立ちあがり部分の水切りなどは、外見上まったく問題が無いのに雨漏りすることがあります。また、何回も重ねコーキングをした場合も、種類の違うシール上の重ね部分から物理吸着(毛細管現象)することもあります。コーキングは、通常の地震程度の揺れには追随するように造られています。今まで以外のところの調査を十分にする必要があります。
 耐力壁のチェックですが、建築主事の見落としを指摘することは難しいと思います。確認申請の受付は、必要な書式が揃っているかどうかをチェックするだけで多くの労力を要するからです。さらに構造計算書通りの設計かどうかは、設計士でなければなかなか説明できない項目があります。筋交いを少なくしてバランスをとる手法などもあるからです。
 また、住宅施工における設計と施工責任は、施工者が負うのが前提です。




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